MAX藤澤のアメリカハバス ワールドファイナル 

 

フリースタイルレポート!

 

 

藤澤 正雄選手

所属チーム:オグリレーシング

スポンサー:オグリレーシング・ファクトリーゼロ・J-FISH・HOT・フェネック・タイトジャパン

        スキャットトラック・SOLAS・LINDA・KTC・jet-sports.com・マキシマ

        BUNフリースタイル・SE・PAL-UP・侍・正和・M-DEVICE

ジェット歴:11年

レース歴:7年

 


ワールドファイナルフリースタイル見事優勝!ついに世界の頂点に!

そのMAX藤澤が今語るワールドファイナル遠征レポート!

2003年10月5日アメリカに向かっての出発だ!
今回で5回目になる挑戦だ。毎年この日になると期待感・不安感などで複雑な心境になって、そわそわしながら飛行機に乗る。
機内に乗り込む時、なんだか小学生の頃遠足に向かうバスに乗り込んだ気分に凄く似ている。
そして離陸する時になって初めて「当分日本とはお別れかあ―!」って寂しさがこみ上げて来るんですよ!
と同時に今から約9時間のフライトをどう過ごすかが頭をよぎりだしてきた。。。ハッキリ言ってカナリダルイです!!
まず1番良い方法は「寝る」に限りますねえ。次はテレビと映画かな?そして音楽を聴いたりでなんとか時間潰しをしないと駄目なんですよ!
いよいよ到着!休む暇も無く即効でレンタカー屋さんに向かいます。CHEVROLETのバンを借りてお店の人に後部座席をとってもらい
そのまま運送会社にボートを取りに出発!!今はロスなどの主要都市では日本語を話せる方が居てたりするんでとっても楽ですね。。。
レンタカー屋さんからは約10分位の道のりで運送会社に到着し、またまた休む間も無く梱包を解体してバンにボートを積み込み各種部品の
チェック。忘れ物が無いかを調べてやっと出発です!この時点でやっと「ホッ」と一息付けました。気が緩んだ所でお腹が空いてきたんで
即効でバーガーキング(日本では東京に1件だけあるんですが・・・)って言うハンバーガー屋さんに入って取り合えずハンバーガーにガッツキ
ながら皆でロスからハバスへの道のりや飛行機の中での愚痴やら、ハバスでの予定など色々雑談をしてからいざ出発です。
ちなみにUSAのハンバーガーはメチャ旨いです!さすが本場って感じです。

まずはフリーウェイに乗りロスから離れるんだけど・・・時間的に丁度帰宅ラッシュに遭ってしまい混み混みで最悪でした。
ロスを抜けたら空いてきたんで調子付いてきました!砂漠地帯のフリーウェイは爽快ですよ!ホントはダメなんですけどアクセル全開の
180km??(リミッターが効いていたのでもっとスピードは出てるんだけど)位でぶっ飛ばし約5時間位の道のりを経てやっと
レイクハバスシティーに到着です。この時既に時刻は夜の10時位だったんで食事をファミレスで済ませて(ハンバーガー以外の食事は
ハッキリ言ってマズイです)借りる事になっていたコンドミニアムへと向かった。
コンドミニアムに到着してビックリ!!ワールドファイナルの会場から少し離れるんだけど小高い丘の上の別荘地帯の中に

その家は有りました。
ハッキリ言ってメチャゴージャスな感じで気分も上々!新築らしく、中も広くとても綺麗で最高の家でした。1週間程滞在するならホテルより
コンドミニアムですよ!安いし綺麗し何よりキッチンが有るのが良いですね。

あくる朝僕だけ時差ぼけ?で朝6時に目が覚めてしまい、余りに暇過ぎた為1人でバブリーな別荘地帯にマラソンに繰り出しました。
たまにすれ違う人達と挨拶「ハロー」「グッモーニー」などを交わして約30分程走って帰ってくると皆も起きていて朝食を取りながら
今日からの1週間のミーティングを始めた。と言っても毎日ジェットに乗ってばかりだけどね!
朝食を済ませジェットのセットアップをし食料品と生活用品の買出しに・・・ハバスでは一番デカイ「WAL MART」って言うホームセンター
に行きタンクや生活用品を買い「SARF WAY」って言うスーパーマーケットで食料(米など)を買い込み一旦コンドミニアムに戻り直ぐに
レース会場に向かった。まだ初日だからブースも無く寂しい感じだった。ピットパスを貰いそのままゲレンデに向かい(会場から5分程
の所にゲレンデがあるんです。)ボートを降ろして軽く整備して問題無い事を確認して水面へ!ウァォッ久しぶりやぁ――!この感覚!
って感じでエンジン音、水しぶきを満喫しながらウォームアップを済ませていよいよ練習開始!と言っても楽しんで乗ってるから練習って
カンジじゃ無いかも!?ちなみに気温は凄く暑かったらしく日中平均33度位あり日本の真夏並みでした。
水温の方は結構ヒヤッとしてましたけど。。。
練習しているとレンジやシッカリングなんかもビーチにやってきて一緒に乗ったりもするんだけど、シッカリングは僕たちの前では絶対に
トリックはやりません!秘密主義ですね。。。レンジは僕と同じでバンバントリックを披露してくれました。
後マローンも絶対に見せてくれません。

そんなこんなで金曜日アマチュアフリースタイルの日がやってきた。
今回のアマチュアフリースタイルは城選手・須藤選手・野田選手の3名!
3人共ハッキリ言ってボロボロのズタズタでした。緊張でコチコチになって日本でのルーティーンとは全く別物でした。
そして土曜日いよいよ僕たちプロフリースタイルの予選が始まりました。(予選の順位で決勝の出走順位を決めるんです。)
本田選手・渡部選手に続き望月選手そしていよいよ去年のトップ3の番がやってきた。
まずはレンジ。僕自身のルーティーンを決めるバロメーターだ!そして僕の出番。1分間気を抜かず本気で・・・もう順位の事なんか
考えていなかった。。。ここでヤツには負けたくない!もちろんフルパワーでやりました。あっ!!ニュートリックは出さなかったけど。
そしていよいよマローン登場。さっすが!!ルーティーンの切れのよさは磨きが掛かっていた。結果レンジ1位マローン2位僕が3位で
日曜の順位がそれぞれ決まった。
明けて日曜日いよいよ運命の日がやってきた。目覚めは良く朝食もいつもはご飯を食べていたけどこの日はVSアメリカなんでハンバーガー
にしてボチボチと会場に到着した。そこでアクシデント!!なんとおお〜もう練習走行が始まってるじゃないか〜!!
ダッシュで着替え水面に飛び出した。もう緊張所じゃなくて取り合えず体を温める事を考えてウォームアップした。
そしてマローン・レンジと「グッドラック」と幸運の挨拶を交わして決勝開始。
まず本田選手、とてもギャラリーの受けが良かった。そして望月選手おぉ〜今までワールドではボロボロだったけど今回は日本と同様に
切れがあるぞ!本人も納得のルーティーンだった様でガッツポーズでギャラリーに答えていた。そして渡部選手。予選では中々の演技を
していたのに決勝ではプレッシャーのせいかミスが多く本人オリジナルのトリックも出せずで残念でした。
ついに、ついにやってきた。この時が!去年敗れ去った記憶が甦った。と同時に今年こそは・・・と言う挑戦心が漲って来た。
もう緊張など無かった。自分自身を信じボートを信じて水面へと降りた。ここからはスイッチONもう勝ち負けなんかどうでも良い!
ただこのワールドファイナルのギャラリーを湧かすのが僕の指名だ!と言い聞かせファーストトリック・ノーハンダーランダー。
まずはバッチリと決めた。かんぱつ入れずにワンハンダーバレルもちろんこれも完璧に決まりそこからは僕自身の得意のエアリアル
のオンパレードそして終了15秒前の合図でバレルロールもリメイクしてル−ティーン終了。「完璧や!」と思った。レンジ・マローンを見る
までも無くそう思える程だった。ギャラリーや日本の方やその他の反応も最高だった。手ごたえ有り!?
いよいよマローン。やはり完璧に決めてきた。スピード・切れ共に最高だった。。。嫌!だけど俺の方が勝ってるやろー!
そしてレンジ。しかし僕・マローンの後でプレッシャーのせいかイマイチだった。レンジらしくない!盛り上がりにかける演技で終わった。
この瞬間、僕関係者方々ギャラリーの目がジャッジ席に向けられた。僕自身勝った!と思ったし多分回りもそう思ってくれたと思いました。
けど出された結果はマローンと同ポイント対でした。この瞬間僕の脳裏に悪夢が甦った。そう2002年のファイナルと一緒や!って。
でもやるしかない!絶対に勝つ!って自分に言い聞かせ再び水面へ。まずはノーハンダーからワンハンダー自分が出来る最高のトリックを
繰り出した。やる事はやったし・・・悔いは無い。そしてマローン。完璧だった。そして結果発表!正直同点決勝は負けたかな・・・?
って思ったが1ポイント差で勝った。今この瞬間にやっとやっとワールドチャンピオンと言う夢をつかめた!31年間こんなに感動したのは
初めてだった。自分自身にではなく応援して下さった皆さんやスポンサーの皆さん。そして僕をずっと支えてくれた嫁に心よりお礼を言いた
い気持ちで一杯です。本当に最高の瞬間でした。有難うございます。
これからも一生懸命頑張りますので応援よろしくお願いします!

        by MAX藤澤